グルテンは体に悪い?
最近、食品アレルギーにかかる人が多くなり、小麦に含まれるグルテンが体に悪いと言われるようになりました。
その結果、世の中にグルテンフリーのパンやお菓子が増えてきました。
食物アレルギーの方にとっては、選択肢が増えるというメリットがあります。
しかし、一方で行き過ぎたグルテンフリー信仰が生まれています。
それは、リーキーガット症候群と言われる説です。
「グルテンが腸を傷つけて腸の細胞同士の結合部に隙間ができ、そこから有害物質が血液中に流れ出して疲労感、下痢、便秘、腹痛などの不調が現れると言われているのです。」
参考リンク:【医学博士に聞く】グルテンは悪者? 実は誤解だらけ「グルテン」にまつわる噂を検証
このリーキーガット症候群は、グルテンアレルギーの人がグルテンを食べることで腸内に炎症を起こした場合に起こることは確認されていますが、グルテンアレルギーの無い人に起こるわけではありません。
こういった見当違いの怖がらせ方をする方々には、私も困っています。
そもそも、アメリカ、ヨーロッパでは昔からパンを食べてきましたし、今のようにグルテンが問題になったことはありません。
何百年もパンを食べて人体実験してきているので、今になって危ないというのはかなり無理があります。
問題の本質は、グルテンが悪いといった話ではなく食物アレルギーになる人が増えていることです。
今、日本では生まれてくる2人に1人が何らかのアレルギーを持っています。
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、ぜんそくなどは増加傾向にあります。
それに加えて、日本では花粉症が数千万人もいて今も増加しています。
これは、現代生活の中にアレルギーを起こす原因がどんどん増えていることを意味します。
しかし、科学者や現代医学では、この発達した現代生活の問題点にはあまり触れません。
現代生活の問題点とは
・電気製品の使い過ぎ
・合成化学物質の使い過ぎ
・体に悪い住環境
などが大きくかかわっています。
人間を弱らせる新発明や新素材が世の中に溢れ、それを良かれと思って使うために
私たち人間は若い世代ほど貧弱になっています。
これは、主に科学で何でも説明できるというおごりや、目に見える効率だけを重視した結果起こっています。
例えば、
「日本の農業は最先端で安心、安全」
と考える人が多くいますが、実際は
「農薬や除草剤を使いまくる恐ろしい、危険」
な状況です。化学物質により、多くの農地が疲弊して元気が無くなっています。
「元気の出ない野菜やお米を食べると、人間の体も元気が無くなる。」
これは、至極当たり前のことです。
しかし、科学者はそういった当たり前のことは無視して、
「遺伝子が、細胞が、この成分が。」
と自分たちの研究した細かい部分の成果ばかりを重視します。
そういった部分的なことばかり見ると、
「炭水化物は良くないから、糖質を制限した方がいい。」
と、特定の成分が良い悪いといった話になっていきます。
例えば、糖質制限ダイエット。
糖質制限ダイエットは短期間でやせることはできます。しかし、糖質をほとんどとらずにタンパク質だけで生活するという人もいます。こういった過剰な糖質制限は、私たちが100年といった長期間で生きるために必要な土台が失われてしまうため、数年、数十年先に病気で苦しむといったことが起こります。
高齢者に糖質制限ダイエットをすると、寝たきりになる人が出たため、危険性に気付いている医師もいますが、30代から50代くらいの人で糖質制限ダイエットをかなり熱心にしている人がいます。
本当に、目先のことしか見えない短絡的な人たちだなとあきれてしまいます。人間の体はそんな単純に作られてはいません。あとでガンなど大変な病気になるのでやめたほうがいいです。
私たちの食生活は、何百年もの間で作られてきたもので、10年20年程度の研究で画期的な発見が出ることはまずありえません。
それよりも、効率重視で作った農作物や家畜は、伝統的な農業で作られた農作物と異なり、私たちが生きるために必要な元気が失われ、私たち人間も弱くなって病気が増えています。
こういった本質的な問題こそ、意識する必要があります。有機栽培や減農薬といった農業が最近増えているのは、元気のある農作物を求める人たちのニーズが増えている証拠だと思います。
気功をして五感が研ぎ澄まされてくると、食べ物に含まれる元気が多いものと少ないもので、体への反応が全く違うことに気づきます。
いくら栄養成分が整っている食べ物を食べても、元気が無いものであれば病気になりますし、体力もつきません。
元気のある食べ物を食べると、多少栄養成分に偏りがあっても健康で過ごせますし、体力もあり元気になります。
これは、日本人とネパール人を比べると一目瞭然なのですが、この話はまた次回以降に書こうと思います。