糖質制限で失うもの
「糖質制限すれば、短期間で痩せる。」
という触れ込みで、糖質制限ダイエットが話題になりました。
あなたも糖質制限ダイエットという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
元々は、糖尿病の食事療法として考案された糖質制限ですが
一般の人がダイエット目的で使用するようになりました。
おそらく、ライザップの短期間ダイエットが火付け役だったと
思います。
確かに、炭水化物を減らせば体を動かすエネルギーが足りなくなり
体内に蓄積したたんぱく質や脂肪を燃やすため、ダイエットするには効果的
かも知れません。
しかし、お米やパンといった炭水化物を
数千年以上食べてきた私たちの体から、
いきなり糖質を抜いても大丈夫でしょうか?
もちろん、大丈夫なわけがありません。
過度な糖質制限を行ったことで、高齢者の間では
・筋力が低下して階段の上り下りができない
・骨密度が低下して、骨粗しょう症になった
・少しぶつけただけで骨折する
といった問題が出てきました。
筋力が低下した高齢者の中には、寝たきりになる人も出てきたため
医師が過度の糖質制限をしないように警告する騒ぎとなりました。
ちなみに、寝たきりになることで、気力が衰え認知症も発症しやすくなります。
また、若い方も糖質制限をやりすぎると、成長阻害が起こります。
私が知っている事例では
・脳の働きが低下
・消化器(胃や腸など)の機能低下
・便秘がひどくなる
といったことが、糖質制限で起こりました。
これらの症状は、一人の相談者に起こった内容です。
花粉症を軽減させるために糖質制限が良いと聞き、
数年間、白米を食べない食事をしていたそうです。
私のところに治療に来られて、むちうちや体の痛みなどは改善したのですが
便秘が良くならないとお話を聞いたことがきっかけで、糖質制限をしていることがわかりました。
私たちも、糖質制限で脳や消化器、体にこれほど影響が出るとは知りませんでした。
今は
白米を少し食べると、胃がもたれる
そうです。
数年間、お米を食べなかったので体が慣れていないようです。
そこで、おかゆといった体に優しいものから食べ始めるよう
アドバイスをして、気功による治療も開始しました。
どれだけ体が回復するかは、これから推移をみていくしか
ありません。
現代社会では、人類がこれまで行ってきたことを
ダイエットといった短絡的な理由でやめてしまう傾向があります。
糖質制限以外にも、グルテンが体に悪いといって
グルテンフリーが流行っています。
でも、欧米の人はパンが主食で2000年くらい生活しています。
体はグルテンを栄養として使うことを前提に働いています。
今更どうしてグルテンをやめないといけないのか?
と思います。
もちろん、グルテンアレルギーの人もいますが、それはごくわずかの人です。
グルテンアレルギーの人がいるからといって、
グルテンが体に悪い
というのは、短絡的に考えすぎだと思います。
おそらく、糖質制限やグルテンフリーを勧める人たちに悪気はないと思います。
食事をしている中でうまくいかないことがあって、その原因を探る中で
糖質制限やグルテンフリーにたどり着いたのだと思います。
私から見ると、良かれと思って悪いことをしている
典型パターンです。
問題の本質は、こういった成分の問題ではなく
食べ物に邪気が多いか少ないか?
によって左右されます。
現代の農業は、合理化を進めた結果
邪気の多い作物
をどんどん生み出すようになっています。
邪気の多い食べ物を食べると、体の機能は低下して
様々な病気を引き起こします。
日本の農業も、効率化する中で化学肥料や農薬、水耕栽培など
自然環境からかけ離れた状態で作物を作っています。
昔から同じものを食べているようで、
いつの間にか、邪気を多く含んだ食べ物に変わっています。
そのため、様々なアレルギー症状や病気が増えています。
もし、現代医学が優れているのであれば
病気の人の数は減少する
はずです。
それが、右肩上がりで増加し続けるというのは、
私たちの生活の中に病気の原因が増えたからです。
病気の原因の一つとして、食べ物の質が低下したことに気付かなければ
これからも病気は増え続けると思います。
私個人の体験でいえば、
ネパールで食事をすると、疲れが取れたり元気になる
ところが日本で食事すると、お腹は膨れても元気にはなりません。
こういった違いを見るにつけ、効率化しすぎることで
目に見えない元気が失われると感じます。
科学者の人も、そういったことに気が付いて欲しいと思います。
まとめですが、
糖質制限はやらないほうがいい
と思います。
もちろん、高齢者になれば若い頃ほど運動しないので、ご飯の量が減るのは当たり前ですが、全くご飯を食べないのは体に有害です。